クラプロ
点検

棚卸とは?目的・やり方と差異を減らすコツ

クラプロ編集部更新 2026年7月13日
目次expand_more

帳簿上の在庫数と、実際に倉庫や棚にある在庫数は、運用しているうちに少しずつズレていきます。これを定期的に合わせる作業が 棚卸(たなおろし) です。目的・やり方・差異を減らすコツを、準備から当日の手順までやさしく解説します。

棚卸とは

棚卸とは、実際に在庫を数えて、帳簿上の在庫数と実在庫を一致させる作業です。

日々の入出庫を記録していても、数え間違い・記録漏れ・破損・紛失などで、帳簿と実物は少しずつズレます。棚卸は、このズレ(棚卸差異)を見つけて正すための、在庫管理の基本作業です。

実地棚卸と帳簿棚卸

「棚卸」には2つの意味があります。

種類 内容
実地棚卸 実物を1つずつ数えて在庫を確定させる。一般に「棚卸」というとこちら
帳簿棚卸 入出庫の記録から帳簿上の在庫を計算する。日々の在庫管理そのもの

帳簿棚卸だけでは実物とのズレに気づけないため、定期的な実地棚卸で照合する——この両輪で在庫の正確性が保たれます。

棚卸の目的——利益計算に直結する

  • 在庫数の正確性を保つ: 正しい在庫数が、発注・販売・原価計算の前提になる。
  • 資産と利益を正しく把握する: 在庫(棚卸資産)は会社の資産であり、売上原価 = 期首在庫 + 当期仕入 − 期末在庫 で計算されるため、期末在庫を間違えるとそのまま利益の金額が狂います。決算で実地棚卸が必須なのはこのためです。
  • 異常の発見: 差異から、紛失・盗難・記録ミス・破損などの問題に気づける。

棚卸のやり方(2つの方式)

方式 内容 向いている場面
一斉棚卸 期末などに、全商品をまとめて数える 決算時、年・月の節目
循環棚卸 商品を分けて、日常的に少しずつ数える 常に在庫精度を保ちたい、商品数が多い

一斉棚卸は網羅的ですが、人手の確保や入出庫の停止など負荷が大きくなります。循環棚卸は負荷を分散でき、差異を小さいうちに発見できますが、「どの商品をいつ数えるか」の運用ルールが必要です。期末は一斉棚卸、期中はAランク商品(→ ABC分析)を中心に循環棚卸、という組み合わせが実務では定番です。

棚卸の進め方——準備から当日まで

事前準備

  1. 日程と担当を決める: 数える範囲を区画に分け、担当を割り当てる。できれば「数える人」と「記録する人」の2人1組に。
  2. 売場・倉庫を整えておく: 置き場を決めて混在をなくし、同じ商品が複数箇所に散らばっていれば事前に寄せておく。
  3. 入出庫の記録を最新にする: 未記録の伝票・作業を当日までに処理しておく。

当日の手順

  1. 数える範囲の在庫の動きを止める(入出庫の凍結。動かす場合は記録を分けて後で反映)。
  2. 実在庫を数える(バーコードスキャンを使うと速く正確)。
  3. 帳簿在庫と比べる(差異の一覧を出す)。
  4. 差異を調整して在庫を合わせる(実在庫が正)。
  5. 差異の原因を振り返る(商品別・場所別に記録し、次回の改善へ)。

「数えている最中に在庫が動く」のは差異の典型的な原因です。凍結できない場合も、どの時点の在庫を数えたのかをはっきりさせておきましょう。

記録のとり方(リスト方式とタグ方式)

実地棚卸の記録には、大きく2つの方式があります。

方式 内容 特徴
リスト方式 商品一覧表を持って回り、数えた数を書き込む 準備が簡単。ただしリストに無い在庫を見落としやすい
タグ方式(棚札方式) 現物側に札を付けて数を記入し、後で回収・集計する 数え漏れ・二重カウントに強い。準備と回収の手間がかかる

小規模ならリスト方式で十分ですが、複数人で広い倉庫を数えるならタグ方式が確実です。バーコードスキャンで数えられる在庫管理システムを使えば、「現物をスキャンして数を入れる」だけでどちらの方式の長所も両立できます。

棚卸差異の主な原因

差異が出たら、次のどれに当たるかを切り分けます。

原因
記録漏れ・遅れ 出庫したのに記録していない、後でまとめて入力するつもりが漏れた
二重記録 同じ入荷を2人が記録した
数え間違い・単位の混在 箱と個(バラ)を取り違えた、入数の違う箱が混ざった
置き場違い 別の場所・棚に紛れていて「無い」と数えた
破損・紛失・盗難 実物が失われたが記録されていない

差異率(差異数量 ÷ 帳簿数量)は金額ベースで1%以内が一つの目安です。商品別・場所別に差異を記録しておくと、「どの工程・どの棚で問題が起きているか」を特定できます。

棚卸資産の評価方法について

数量が確定したら、決算では在庫の金額(棚卸資産)を評価します。評価には原価法(先入先出法・移動平均法・総平均法など)と低価法があり、どれを使うかは会計・税務のルールに関わるため、顧問税理士・会計士に確認するのが確実です。日々の在庫管理で原価を記録しておくことが、この評価の土台になります。→ 原価の考え方は在庫回転率の記事も参考にしてください。

棚卸差異を減らすコツ

  • その都度記録する: 入出庫を後回しにせず、作業時にすぐ記録する。
  • バーコードを使う: 目視・手入力のミスを減らす。数えるスピードも上がる。
  • 保管場所を整える: 置き場を決めて場所管理を徹底し、混在を防ぐ。
  • 単位を統一する: 箱・個の混在をなくし、入数を明記する。
  • 循環棚卸を取り入れる: 差異を小さいうちに発見・修正する。

在庫管理システムでの棚卸

クラウド在庫管理システム「クラプロ」では、棚卸は 実際に数えた在庫数を入力するだけで完了します。現在の帳簿在庫との差分はシステムが自動で計算して在庫を合わせるため、増減数を手計算する必要はありません。

  • スマホのバーコードスキャンで、数えながら素早く入力できます。
  • 場所・ロット・有効期限を有効にしていれば、その単位で棚卸できます。
  • 棚卸の結果は在庫数に反映され、履歴も残るため、差異の振り返りがしやすくなります。

操作の詳細は利用ガイドの 作業(入庫・出庫・移動・調整・棚卸) をご覧ください。正確な在庫は適正在庫の維持にも欠かせません。

棚卸に関するよくある質問

Q. 棚卸はやらないといけないものですか?

決算で正しい利益を計算するために、期末在庫(棚卸資産)の確定が必要で、そのためには実地棚卸が欠かせません。少なくとも年1回(期末)は必須と考えてください。

Q. どのくらいの頻度で行うべきですか?

最低で年1回。在庫精度を保つなら、月次棚卸か循環棚卸の併用がおすすめです。差異は早く見つけるほど原因を特定しやすくなります。

Q. 差異が出たらどうすればいいですか?

まず実在庫に合わせて帳簿を調整し、そのうえで原因(記録漏れ・二重記録・数え間違い・置き場違いなど)を切り分けて再発防止につなげます。「調整して終わり」にしないことが重要です。

Q. 営業を止めずに棚卸するには?

循環棚卸で小分けに数えるか、一斉棚卸の当日だけ入出庫を凍結します。凍結できない場合は、数えている範囲の在庫を動かさない・動きを別記録にするのが原則です。

Q. 差異率はどのくらいなら許容範囲ですか?

業種によりますが、金額ベースで1%以内が一つの目安です。商品別・場所別に記録して傾向をつかみましょう。

まとめ

  • 棚卸とは、実在庫を数えて帳簿在庫と一致させる作業。実地棚卸と帳簿棚卸の両輪で精度を保つ。
  • 期末在庫は 売上原価=期首在庫+仕入−期末在庫 の計算に使われ、利益に直結する。
  • 方式は一斉棚卸と循環棚卸。期末は一斉、期中は循環の組み合わせが定番。
  • 差異の主因は記録漏れ・二重記録・数え間違い・置き場違い。差異率1%以内が目安。
  • 在庫管理システムなら、実在庫を入力するだけで差分を自動計算できる。

クラプロなら、実在庫を入力するだけで棚卸が完了し、差分も自動で反映されます。無料プランで今すぐ試せます。

クラプロを無料で始めるできることを見る

関連記事

← ナレッジ一覧へ